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災害時における相談活動」から
行政相談委員 坂上 計二(鹿児島県蛤良町)
住んでいる触田上及び下2地区自治会では、住民を公民館に集めるので、早急に「巡回行政相談」を開催するよう要望があり、8月23日、行政当局、自治会長をはじめ多数の地元住民が集まり、町、県への要望・苦情のほか、災害に起因する個人間のトラブルなどさまざまな相談等があった。事後、現場を確認するなど対応に追われる日々が続くこととなったが、申出人から十分説明を聞き、お互い膝を交えて話をすることができたことなどを省みるとき、日頃から、巡回相談を開催し、地域住民の皆さんと接触を図っておくことの重要性を改めて感じた。

 

このような相談を受けるなか、現在も記憶に残る事案に次のようなものがある。
今回の集中豪雨によって県道に架かる橋が流失したため、各通行車両が狭い町道に殺到し、登下校の児童・生徒の安全性の確保が懸念されるとの申出を受けた。
現場の状況はまさに申出の状況であり、早速、町に連絡、安全な対応方を要請していたところ町、県土木事務所、地元警察署、教育委員会による「臨時スクールゾーン対策委員会」が開催され、県道の一部安全部分について歩行者用に開放するとともに、町道の危険箇所には、学校の「親子会」が立ち番をし、児童・生徒の通行の安全を図ることが決定した。

 

この事例のように、災害時には、行政と住民が一体となって、状況に対応していく姿が重要であるが、住民の立場を理解し、その要望等をじっくり受け止め、関係行政機関に連絡してきめ細な対応を図って行くことも必要であるという考えからすると、平成5年という年は、行政相談委員の存在やその活動が一層重要な役目を負っているとの認識を新たにする年であった。
(「坂上行政相談委員の活動報告」から抜粋)

 

 

 

 

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